性同一性障害GIDの人たちは、 汚名と烙印を押される経験をし続けているのに、社会の受け入れにおいては、明らかに前進していると認識しているだろう。

医療機関への受診はいまだに難しく、医療機関へ啓蒙させることはたくさんあるものの、GIDの健康を促進の点で、アメリカでは関心が高まっている。

この論点の焦点は、これから妊娠、妊娠中、またはすでに妊娠を終えてるFTMまたは、性的区別のない者への医療従事者へのガイダンスを提供することである。
FTMの出産

性同一性障害GID、性別に区別のない者という言葉は、特に生まれたときの性別とは違う性の自認を言う。

ほとんどのFTMが、女性としての生殖器官を保持し、子どもを持つ能力を保持しないとしても、もしも子どもを宿し、妊娠中、そして、妊娠後に、性別違和の気持ちが募るときに、テストステロンを止めるかどうか話し合うことが必要になる。

産婦人科ケアの提供は、性別違和にどのように影響するのか、さらなるケア方法など必要だが、医療機関の役目は、産婦人科の領域のケアを低下させないようにすることでもある。

出産後に考えなければいけないことは、授乳のこと、どのように、そしていつ男性ホルモン(テストステロン)治療を再開するかである。出産前後期のケアは、FTMの今の現状、性の多様性を理解することから始まる。

※コメント
FTMが妊娠する背景が詳細にわからないのですが、このような状況になるのは、パートナーである女性が妊娠できない何かしらの事情があり、自分(FTM)の子宮を使って、どこからか精子を提供してもらい体外受精させ、子どもを宿す、ということが考えられます。
自分と血がつながった親、もしくは兄弟の精子を提供してもらい、女性パートナーに体外受精を行いたいという相談は受けます。

日本以外の先進国には、このようなケースが多くあるのかわかりませんが、自分のクリニックに来院しているFTM中に1名だけ相談を受けたことがあります。

まあ、確かに、パートナー女性が妊娠できない、不妊などの症状があり、どうしても血がつながった子どもが欲しいとなるとこのような選択もあるのかもしれません。今後このようなケースも増えていく可能性もなくはないので、日本の医療機関としても考えておかないといけない問題なのかもしれません。ただ、日本は生殖医療については、まだまだ未成熟の分野であるのですが・・・。

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☞今回の医学文献
Transgender men and pregnancy.
Obstet Med.2016 Mar;9(1):4-8.

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