執筆者:性同一性障害(GID)学会認定医 大谷伸久

MTFの乳がんのリスクは、増加してきている!?

1966年から2014年に7件の医学論文で報告され、10ケースの乳がんで、発症年齢は30~58歳。

すべての患者は、5~36年と長期の女性ホルモン投与をしていた。7ケースのうち、エストロゲン・レセプターを持つものは2件だった。

1例は、良性の乳房腫瘍摘出後10年後に、低異形成の腫瘍の原発性乳がんだった。分泌性、線維性上皮腫瘍、トリプルテスト(臨床所見、画像診断、針生検)陰性だった腫瘍の3例は、エストロゲンの使用には関係がないと思われた。その他は、エストロゲン使用後の若年者だった。

報告年
年齢、女性ホルモン投与年数
乳がんのタイプなど

1968年の報告
30歳、5年間女性ホルモン経口(飲み薬)投与
乳がんのタイプ:腺がん、転移あり、乳がん遺伝子検査していない

30歳、女性ホルモン不明
乳がんのタイプ:乳管がん、転移あり、乳がん遺伝子検査していない

1988年の報告
35歳、10年間エストロゲン
乳がんのタイプ:乳管がん、転移あり、乳がん遺伝子検査(-)

1995年
36歳、14年間経口投与0.625mg/日、
乳がんのタイプ:乳管がん、乳がん遺伝子(-)

2005年
46歳、8年間エストロゲン
分泌型がん、乳がん遺伝子(-)

2010年
58歳、11年、針生検、エストロゲン・レセプター陽性、プロゲステロン・レセプター陽性、転移あり

2013年
43歳、13年
浸潤性の乳管がん、転移あり、エストロゲン・レセプター陰性、プロゲステロン・レセプター陰性

56歳、7年
57歳、36年間
乳管がん、エストロゲン・レセプター陽性、プロゲステロン・レセプター陰性

53歳、8年以上
葉状腫瘍、エストロゲン・レセプター陰性
いつもありがとうございます。

【MTFのがんに関連する記事】
MTFの前立腺がん症例報告①
MTFトランスジェンダーにおける乳がん:注意すべきケースレポート
性同一性障害gidのホルモン治療による「がんの発症頻度」

参考海外医学文献
Breast Cancer in Male-to-Female Transgender Patients: A Case for Caution
Clin Breast Cancer.2015 Feb;15(1):e67-9.

自由が丘MCクリニック院長の大谷です

当院は、主に性同一性障害専門クリニックとして、GID学会認定医によるgidに関する診断、ホルモン治療、手術、そして、性別変更までのお手伝いをさせていただいています。

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