MTFで睾丸摘出し、女性ホルモン治療しないと、骨量が下がることが知られているが、睾丸摘出してないで、女性ホルモン治療前の骨量はどうなのだろうか?予測としては、通常の男性と変化はないようにも思われるが…。

女性ホルモン治療をしていないGID/MTF25人(平均年齢30歳)と普通の男性25人を対象とし、骨量などを比較調査。

骨粗鬆症は、普通の男性に比べGID/MTFのグループにおいて、より認められた(GID/MTF16%:普通の男性4%) 。またGID/MTFは、筋肉量、筋力ともに低く、25-OHビタミンDが低かった。

GID/MTFは、女性ホルモン治療、性適合手術で性腺を摘出することにより、身体の構成、骨量に大きな変化を生じさせる。

筋肉量と筋力は、骨の維持に重要な要素であるので、当然、筋力低下は骨量の低下を促してしまう。

◎GID/MTFは、スポーツなどの肉的的活動に乏しく、GID/MTFの筋力、骨量が低い要因は、トランスジェンダーとしての異なったライフスタイルの低下が原因かもしれない。実際に、若くして肉体的活動が低い人は骨量が低い。 晩期に肉体的活動をする人は、骨量を維持し、骨粗鬆症のリスクを低下させる。

◎GID/MTFの72%にビタミンDが少ない。理由として、GID/MTFはライフスタイルの低下があり、どちらかというとインドアであまり活動的でない傾向にある。 ビタミンDの欠乏は、筋肉にも関係してくるので、ともに低いとライフスタイルにまで影響してくる。

◎アルコールやたばこのようなその他のライフスタイルにも関係があるのかもしれない。 骨代謝においてたばこは有害。 女性ホルモン治療を行っているGID/MTFは、喫煙率が高いという報告もある。

◎通常、女性ホルモンを投与されていると 体内におけるテストステロンの変化とエストロゲンは、骨に影響するとされるが、骨量が少なかったGID/MTFに、これらのホルモンには影響がないように思われた。 テストステロンと脂肪量は相反する。エストラジオールと脂肪量は相関関係があるとされるのは、テストステロンが脂肪細胞内で女性ホルモンに変換されるからである。

◎GID/MTFは、骨粗鬆症がより高く認められるものの、意外に外傷による骨折は少ない。日常生活で活動的でないことが理由なのかもしれない。

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Low bone mass is prevalent in male-to-female transsexual persons before the start of cross-sex hormonal therapy and gonadectomy Bone.2013 May:54(1)92-97