今回のレポートを読む前に・・・
少し複雑なので、整理しておこう。ここで言う性同一性障害GIDの異性愛と同性愛は、俗にいう同性愛は、ホモセクシャルと呼びますが、英語で言うhomosexual(発音は一緒)は、生物学的に見て同性の意味もあり、いわゆる「ホモ」だけの意味ではありません。

男性当事者を生物学的女性の視点からみて、相手の性がどうかで決まります。生物学的女性(FTM)が女性を好きになるのは、厳密には生物学的に同性愛であり、上記のように日本語だとホモセクシャルといっしょになってしまうのですが、ただ生物学的に同じ「性」という意味です。(FTMとそのパートナー女性のカップルを「レズビアン」とは言わない)よって、男性を好きになるのは、異性愛となります。

FTM当事者の性の対象が女性であれば、生物学的には同性愛者ということになる。
・異性愛FTM=男性が好き=FTMのゲイ
・同性愛FTM=女性が好き=レズではない

性同一性障害FTMのゲイ?

生物学的女性のFTMトランスジェンダーは、以前には同性愛の女性に魅力を感じると考えられてきた。同性愛ではない(ここでいう”同性愛ではない”というのは、というのは、例えばFTMが男性に魅力を感じる)FTMは極めて稀とされている。ある報告(1987年の医学論文)によると、FTM72人中1人のみしか男性(生まれつきの)に魅力を感じなかったという。

頻度的にはかなり少ないはずで、このような人は、自認する性が男性であるという概念が、実は存在しない、あるいは、FTMと間違った診断をしているのではないかと考えている研究者もいた。

しかしながら、明らかに正しい診断をされた異性愛者(FTMから見ると男性が好き)のFTMの研究も始まっている。この異性愛者のFTMは、ゲイまたはバイセクシャルな男性(FTM)で、男性に魅力を感じるという。

FTMのゲイのセックスの特徴

GID異性愛者のFTMは、ホモセクシャルな男性(ゲイ)に憧れ、特に女性的な男性に魅力を感じ、そして、ゲイの男性とセックスすることに興味を持っている。セックスするときには、ゲイの男性とのセックスに幻想を抱くようなゲイの男性の特徴を持つとされている。

さらに、通常のFTM(同性の女性が好き)に比べて、異性愛者のFTMは、幼少期、思春期に、性の不一致があまりなかった人に多いとされている。

その他の報告では、女性的な男性と同じくらいにムキムキした男性にも魅力を感じる異性愛者FTM(=FTMゲイ)もいるという。

異性愛者FTMにおいては、性の自認と性的な欲求とは一致しない。なぜなら、男性的な性の自認とその行動の役割を持つが、男性とのセックス時には、女性的な性的行動をするという。

これらのことが正しいのなら、通常のレズビアンと異性愛者女性との違い、ホモセクシャル男性と異性愛者FTMとの違いを知るのに今後役立つと思われる。

FTMのセックスと性の自認に関しては、経験的に女性の性行動に関係している。同性愛者FTMと異性愛者FTMの違いを理解する上で、過去のレポートは、有益な情報といえる。

いつも読んでいただきありがとうございます。

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Sexual Orientation of Female-to-Male transsexuals:A Comparison of Homosexual and Nonhomosexual Types
Arch of Sexual Behavior;2000;29:259-278

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