男性ホルモン注射の投与方法の違いについての報告

通常、男性ホルモンは筋肉内に打っていますが、皮下注射では効果はどうなのか?
※皮下:皮膚の一番下に辺り、主に脂肪層になります。

皮下注射でも効果があるのか?

テストステロンは、男性化を望む若いトランスジェンダーに推奨されます。テストステロンを注射するもっとも多い経路は、筋肉注射です。臨床的には、薬剤によっては皮下経路でも使われていますが、男性ホルモンでは、血中濃度とその可能性の論文などではデータがありません。男性ホルモンを皮下注射で生理が止まるか?、ふつうの男性の男性ホルモン血中濃度の範囲内になるか?を見極めるのが今回の研究の目的です。

対象は、FTM36人で、平均年齢が13~24歳で、男性化目的に皮下注射でテストステロンを投与しました。投与した男性ホルモンは、1週間に1回平均46.4㎎を投与しました。6か月以上投与し経過観察しました。

結果
皮下注射によるテストステロン投与後6か月以内に、生理が止まったFTMは85%でした。テストステロン投与後に生理が止まるまでの期間は、平均2.9カ月でした。ほとんど(91.4%)のFTM参加者は、皮下注射による投与方法でも、開始6か月後には男性と同じテストステロンの血中濃度に達していました。効果に反した結果は出ませんでした。

結論
男性化を望む若いFTMにおいて、テストステロンを皮下注射によって投与することは効果的であり、この短期の投与においてはうまくいったと思われました。長期の投与でも同じような結果が得られるかどうかさらなる追加の研究が必要です。

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今回の海外医学論文☞
Subcutaneous Testosterone: An Effective Delivery Mechanism for Masculinizing Young Transgender Men
LGBT Healyh. 2014 SEp;1(3):165-7