GIDのホルモン治療における死亡率
性同一性障害/FTM・MTFにおいて、自分の身体の性とは違う別性のホルモンを長期に使うことでの死亡原因については、あまり報告がない。長期のホルモン使用の性同一性障害gidにおける死亡率についての報告。
方法:
ジェンダークリニックで平均18.5年治療をしていた患者を対象とした。966人のMTFと365人の性同一性障害/FTMを一般人との死亡率を比較した。 性同一性障害/MTFは、異なった高濃度のエストロゲンを多く投与する傾向にある。
性同一性障害/FTMはテストステロンの筋肉注射もしくは、テストステロンのジェルで治療していた。 性適合手術(SRS)後のホルモン治療は、以前より低い濃度で続けた。
結果:
性同一性障害/MTFのグループ
一般人口比より51%高かった。死亡の原因を主に占めていたのは、自殺、免疫不全(HIV)、心血管系疾患、薬物中毒、そして原因不明。がんの死亡率は高くはなかったが、肺がん、血液のがんの死亡率が高かった。
性同一性障害/FTMのグループ
一般人口比に比べ死亡率が高いということはなかった。
考察:
女性ホルモン治療を行っている性同一性障害/MTFの死亡原因は、ホルモンに関係するものではなかった。しかし、エチニール・エストラジオールは、心血管系による死亡のリスクを高める。性同一性障害/FTMのテストステロンの使用は、男性ホルモン低下症の男性に使うホルモン量の範囲内であれば、安全だと思われる。
※テストステロンのジェルは日本では販売されていませんが、クリームとしては、「グローミン」として販売されています。
※エチニール・エストラジオール:日本では「プロセキソール」として販売されています。
Key word
トランスジェンダー、ホルモン治療
いつもありがとうございます。
今回の海外文献は、
A long-term follow-up study of mortality in transsexuals receiving treatment with cross-sex hormones.Eur J Endocrinol. 2011 Apr;164(4):635-42.