出生前に胎内において、男性ホルモンにどのくらい暴露されるかで、手指の人差し指と薬指の長さの違いに差が出てくることは、ご存知でしょうか?

手指の人差し指<薬指の長さ

男性に特徴的とされ、逆に、手指の人差し指>薬指の長さだと女性に多いとされます。ただし、絶対的なものではありません・・・。

では、性同一性障害ではどうなのでしょう?いくつかの論文が出ていますので、ご紹介しましょう。

性同一性障害GIDと手指の人差し指と薬指の長さの違い

幼少期から性の自認と手指の人差し指と薬指の長さの比率 (2D:4D) で、男女間を区別することできる。人間の脳と2D:4 D の比率は、出生前のテストステロンのレベルに影響しているとされている。

性同一性障害(GID)56人(MTF39人、FTM17人)からデータを取得し、ふつうの男女(それぞれ176人、190人)も比較対照群として調査した。

MtF の右手のD2D:4 は、有意にふつうの男性よりも値が高かった(=人差し指>薬指)。しかし、ふつうの女性と比較するとほぼ同じ結果であった。
生物学的女性の2D:4Dは、右利きのFTMの右手より有意に高かった(=人差し指>薬指)。2D:4Dにおける性別は、性自認に対しては明らかに影響があるものの、性の指向は関係があるかわからなかった。

MTFの発症の影響には、出生前のテストステロンが低いことがあまり関係ない可能性が示唆された。また、FTMの発症には、出生前のテストステロンは、あまり影響がないように思われた。
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今回の医学論文☞
Finger Length Ratio (2D:4D) in Adults with Gender Identity Disorder
Archives of Sexual Behavior
June 2009, Volume 38, Issue 3, pp 359–363