FTMに治療する男性ホルモンの皮膚に対する影響(発毛、ニキビ、薄毛)に関することは、情報が少ない。そこで、今回の研究の目的は、FTMの男性ホルモン治療に対する短期、長期による皮膚の影響を評価することである。

男性ホルモン治療をしていない普通の男性20人と、男性ホルモン治療を平均10年している50人のFTMとで比較検討した。

1 体毛→Ferriman and Gallwey classification(F&G分類)

2 ニキビ→Gradual Acne Grading Scale

3 頭髪の脱毛(禿げ)→Norwood Hamilton Scale

アンドロゲンとエストロゲンは、皮膚の毛嚢皮脂腺に影響することが知られ、この腺にはアンドロゲンとエストロゲン受容体が存在し、発毛、脱毛を生じさせる。男性ホルモンは、アロマターゼという酵素によりエストラジオールに変換することができる。

アンドロゲンは、陰毛と皮脂腺にとって必要で、皮脂腺の成長において中心的役割をしている。また、アンドロゲンは、毛根の大きさを増大させ、毛を太くし、毛周期を長くさせる作用がある。エストラジオールの役割は、よくわかっていないが、毛成長においては重要な役割をしているとされる。

テストステロンは、いろいろな組織でエストラジオールに変換することができる。毛嚢皮脂腺でのテストステロンの作用は、エストラジールによってコントロールされているかもしれない。アンドロゲンとエストラジオールとの局所的なバランスは、エストロゲンとアンドロゲンの作用によって決められるとされている。

Key Word
アンドロゲン:男性ホルモンは、いくつかの種類があり、アンドロゲンは、男性ホルモンの総称として使われています。
エストラジオール:女性ホルモンの主流になるもの。

※体毛、ニキビ、頭髪の脱毛で分けて掲載していきます。

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参考海外医学文献
Short- and long-term clinical skin effects of testosterone treatment in trans men.
J SexMed.2014 Jan;11(1):222-9