GID・FTMにおける性別適合手術(SRS)、おもに陰茎形成の手術は最近進んできている。GIDの手術前のホルモン治療で生じる解剖学的変化がわかってきてたように、とくに、陰茎形成においても女性生殖器の解剖の理解が進んできている。

女性の性的満足では、クリトリスは大きな役割があるので、GID・FTMにとっても陰茎形成術のその後の影響についても予測可能になる。

女性の生殖器に関しては、メジャーな解剖学書には記載がほとんどなく情報が乏しい。最近の研究によると、クリトリスを含めた生殖器系は、むしろ外観にでなく、内部に重要(下図参照)な要素があるという。たとえば、神経血管系の供給、靭帯、形状、そして、尿管、膣との関連が重要だと言う。

実は、内部構造は男性と似ている。

今回の研究の目的は、クリトリスの解剖の最新情報、そして、GID・FTMの性適合術(主に陰茎形成)におけるクリトリスの再建による影響を調べることである。
※コメント
今回ご紹介する医学論文は、残念ながら、要旨Abstractしか手に入らず、すべてを網羅できませんでした。興味深い内容なので、とりあえずは、要旨だけの紹介となります。本文が手に入りましたら、再度掲載したいと思います。

実際に陰茎形成を行ったGID・FTMの当事者に聞くところによると、手術後は陰茎根元しか感じなかったものが、次第に先端方向まで触った感じがでてくる、とのことです。クリトリスにあった神経が少しづつ伸びているのかもしれません。

クリトリスに関しては、意外にわからないことが多いようですが、最近になって、新しい知見もいくつか発表されています。元は1cmも満たない器官ですが、実は、壮大だった!?その内部はほぼ男性と同じです。相同器官(胎生期は同じ)といわれる理由です。
クリトリス下部の内部の構造

クリトリスの解剖は、1672年にはde Graafという医師によって発表されています。
今から300年以上も前に解剖図を記載しています。
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Anatomy of the clitoris and its impact on neophalloplasty (metoidioplasty) in female transgenders.
Clinical Anatomy,2015;28(3):368-75

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