今回は、性同一性障害(GID)と摂食障害との関係についてです。摂食障害について簡単に説明します。
性同一性障害(GID)のことは、説明するまでもないので割愛します。「摂食障害」とは、正式な名称は神経性痩せ症あるいは、神経性無食症といいます。

この摂食障害は、他の人に比べて、標準体重がかなり低い体重にもかかわらず、体重の増加または肥満になることに対する強い恐怖、体重増加を妨げる持続した行動があります。

例えば、過食しては、吐いたり、下剤、浣腸を反復します。軽い症状であれば、過度なダイエット、断食、過剰な運動によってもたらされる体重減少のエピソードがあります。

性同一性障害(GID)・性別違和(GD)の肉体的ボディーイメージ

性同一性障害(GID)あるいは、性別違和(GD)は、 肉体的ボディーイメージに対する障害を持つため、自己が認識する肉体的イメージと理想とする肉体的イメージとが対立関係にある。

摂食障害の肉体的ボディーイメージ

摂食障害も肉体的ボディーイメージの障害があるため、症状が悪くなる(痩せる)ことと痩せたままを維持することに重要な役割を演じている。そのため、これらの2つの状態がお互いにリンクしているのかもしれない。

GIDと摂食障害が同時に起こる頻度

性同一性障害(GID)あるいは、性別違和(GD)と 摂食障害は、それぞれの有病率は低い頻度である。両方の障害を同時に持つことはまれであるとされている。しかし、これらの同時に伴う障害は、診断・治療が複雑であるために簡単に診断がつかないと過去にいくつか報告されている。また、これらのほとんどの報告では、異性へ移行と摂食障害とが密接に絡み合っているとされている。

GIDと摂食障害を同時に持ち合わせたときの特徴

性同一性障害(GID)・性別違和(GD)と摂食障害または神経性無食欲症の両方の状態が同時に起こりうる可能性がある。それは・・・。

MTF自身が、実際には存在しないが、理想とする”超“女性と張り合うことがある。それによって、体型がスリムであることは魅力的であると同一視される。一方、FTM自身は、二次性徴を抑制と月経を抑制するために体重を減らす試みをするのかもしれない。

さらに、摂食障害の症状とジェンダーの複雑さの理解には、MtF、FtM、摂食障害の女性、普通の男女とを比較することによって理解できるかもしれない。

普通の男女に比べて、MTF自身は、体重と体型をより気にし、常に身体の不満があり、自分の身体のチェックを過度にする。MTFの間では、本来持っている生物学的な筋肉質の体型が背景にあるため、理想的な女性体型を維持するという強い欲求が、体重減少をモチベーションとする大きな要因になる。

FtM 個人も通常の男性に比べると、食事、体重、体型をより抑える程度が高い。そして、身体に不満や体型をチェックするが、普通の女性と比べると差がない。

MtF と FtM の両方のグループは、摂食障害をもった女性と比べると、自己のボディーイメージと摂食障害の病的さはかなり低い。しかしながら、MtF グループは、FTM グループに比べると、より自分の身体のチェックをし、MTFグループは、FTMグループよりも精神病理学的に摂食障害のリスクが高い。

次回、性別違和を伴った摂食障害と診断された思春期症例の 2 例を紹介しましょう。
☞今回の海外医学論文
Anorexia Nervosa and Gender Dysphoria in Two Adolescents
International Journal of Eating Disorders 48:1 151–155 2015
*Anorexia Nervosa:神経性無食症(摂食障害)/神経性やせ症
*Gender Dysphoria:性別違和

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