トランスジェンダー(FTM,MTF)たちにとって、性適合手術(SRS)は、ホルモン治療、乳腺切除(胸オペ)など数ある中で、きわめて厳しいとして治療として考えられ、GID性同一性障害の治療の最後に位置づけとされている。

性転換症の原因は、まだあきらかにされていない。トランスジェンダーたちとそうでない人の間には、解剖学的に脳には違いが見られない(*)。
また、ある一定の要素には、親の要素がトランスジェンダーに関連していると思われる。異なった発育過程をたどった場合には、 病気の原因、精神病理学に関するいくつか矛盾した事柄から、トランスセクシャルの亜型に関係しているものいると思われる。

精神的治療は、自認しない性に変化させるには助けにならない。そして、重度な精神疾患がないトランスジェンダーたちは、治療のオプションとして、性適合手術(SRS)を希望することが多い。

多くの国では、トランスジェンダーたちは、現在ハリー・ベンジャミン(Harry Benjamin)の標準的性別違和の治療に基づいて治療を行っている。
トランスジェンダーの最終目的は手術ではなく、手術が明らかな最終的なものでもない。性適合手術(SRS)が、トランスジェンダーであるという苦しみから十分に楽にするものであることは、疑いの余地がない。

しかしながら、性適合手術は万能ではない。新しい環境に適応する際に、そして、GID治療前にカミングアウトしていない場合の問題を対処する際には、精神療法が必要かもしれない。

※コメント
*今回の医学論文は、もう15年前の医学論文で若干古いかもしれません。トランスジェンダーとそうでない人の脳の違いは、現在でも完全に明らかになってはいませんが、最近の知見ではいくつかの違いが報告されています。
→FTM,MTFのホルモン治療における脳の変化

→MTFと通常男性の大脳皮質の違い
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今回の海外医学文献は…
Transsexualism: A review of etiology, diagnosis and treatment
J PsychosomRes.1999 Apr;46(4):315-33.