若年者の性別違和(GD)における治療、治療に対しての効果、副作用などの現状を後ろ向き研究

カナダ・バンクーバーでの子ども病院にて、1998-2011までに治療を受けた性別違和84人を対象とした。

結果
84人のうち45人(54%)がFTM、37人(44%)がMTF、2人(2%)が診断がつかない者。平均年齢は、17歳。ゴナドトロピン・リリース・ホルモン投与をしたものが、27人(32%)だった。

GnRHa治療の副作用

1人のFTMが、リュープリンで無菌性膿瘍になったので、triptorelin(日本未承認)に変更したら、これにはよく反応した。
1人が下肢の痛みと頭痛を生じたが、治療なしで改善。
1人が9か月で19㎏増加、ただし、治療前からBMIが85%以上だった人だった。

Cross-sexホルモン(別姓へのホルモン)治療を受けたものは、84人中63人で、FTM39人、MTF24人。
男性ホルモン投与を受けたFTMの平均年齢が17.9歳、女性ホルモン投与を受けたMTFの平均年齢が17.9歳。

Cross-sexホルモン(別姓へのホルモン)治療の副作用

ニキビがひどくなり治療を受けたものが7人、1人が20歳以下の脱毛症(はげ)で中止、3人が、軽度な高脂質症。FTMは、重大な多血症、肝機能障害などの副作用はなかった。MTFも重大な肝機能障害、血栓症もなかった。

男性ホルモン、女性ホルモン治療中に重大な合併症はだれもいなかった。

考察
精神療法を伴ったゴナドトロピン・リリース・ホルモン、男性ホルモン治療は、若年者でも注意深く治療すれば妥当な治療だと思われる。
若年者のこれらの治療は、安全だと思われるが、長期の経過観察が必要だと思われる。

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今回の文献
Clinical management of youth with gender dysphoria in Vancouver.
J Pediatr.2014 Apr;164(4):906-11.