背景
スピロノラクトンとサイプロトロン(アンドロキュア)は、GID/MTFの女性化のホルモン治療に使われる抗男性ホルモンの薬である。この2つの薬は、HDLに対して反対の作用を来すとされている。限られたデータによると、サイプロトロン(アンドロキュア)は、スピロノラクトンより、プロラクチンをより増加させる。
目的
スピロノラクトンとサイプロトロン(アンドロキュア)に対するコレステロールHDLの増減とGID/MTFのプロラクチンの血中濃度への影響を比較することである。
方法
1.GID/MTFと自認する人 2.スピロノラクトンとサイプロトロン(アンドロキュア)をこれから使う人 3.過去6か月に抗男性ホルモンを使っていない人
スピロノラクトン28人、サイプロトロン(アンドロキュア)が31人の2グループで比較。
結果
治療前のHDLとプロラクチンの血中濃度に、この2グループに違いはなかった。1年後には、スピロノラクトのグループでは、HDLは増加していたが、CPAグループでは、低下していた。プロラクチンは、スピロノラクトンのグループでは平均5.7、サイプロトロン(アンドロキュア)グループでは平均8.63だった。

これらのデーター結果から、GID/MTFに使われるスピロノラクトンは、HDLを増加させ、サイプロトロン(アンドロキュア)ではその反対の作用があることがわかった。また、サイプロトロン(アンドロキュア)は、プロラクチンをより増加させる傾向がある。この2つの抗男性ホルモン作用のある薬を選択する上では、これらの作用があることを考えて使わなければならないだろう。

Key word

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Differential Effects of Cyproterone Acetate vs Spironolactone on Serum High-Density Lipoprotein and Prolactin Concentrations in the Hormonal Treatment of Transgender Women
J Sex Med 2016;1765–1772