最近日本でも、性交渉によるジカウイルス熱感染のニュースがありました。
話題があまりにもマイナーだと思いますが、今回は、GID/FTMのジカ熱感染のニュースをお届けします。
アメリカ・ニューヨークの健康メンタル衛生局での検査によってジカウイルス熱疑いのGID/FTMが報告された。
彼女(GID/FTMなのだが、原文では、sheとなっている)は、20歳の妊娠していない独身。旅行から帰ってきた日(0日目)パートナーの男性と膣を使った性行為をコンドームなしで行った。
彼女は、ニューヨークに帰る空港で頭痛と腹痛があった。翌日(1日目)、彼女は、高熱、倦怠感、発疹、関節炎、筋肉痛、背部痛、四肢のむくみを来した。手には、しびれを生じた。帰宅1日目に生理が始まり、いつもより激しかったという。
3日目、医療機関で血液検査と尿検査を行った結果、ジカウイルスが検出された。
性行為から7日目、彼女のパートナーの男性(20歳)も似たような症状が出現し、検査結果からジカウイルスが検出した。
彼は、アメリカ国外に旅行はしておらず、彼女(最初に症状が出たGID/FTM)とは、フェラチオとアナルセックスはしていない。ペニスからの分泌物にはウイルス検出なし。症状が出現する前も、他の女性との性交渉もなく、蚊にも刺されていなかった。
彼女と彼の話、症状、性交渉歴、彼女の旅行から、性交渉を介して、コンドームなしの膣からジカウイルスが移ったものとみられる。ウイルスは、膣分泌液、生理時の血液に存在し、男性の尿道もしくは、ペニスの小さな傷から移ったのかもしれない。
最近のレポートによると、ジカウイルスは、膣分泌液、膣道に存在し、動物実験によると膣に感染させた動物の膣分泌液に7日間存在したと報告されている。
今回は、ジカウイルスに罹った初めてのFTMからのケースであった。最近のガイダンスによると、ジカウイルスは、ジカウイルスを持った男性から移るものとされている。今回のケースのようなことがあるため、女性から男性に移ることもあることを示唆するものであった。
医療機関は、ジカウイルス発生地域国への旅行歴だけでなく、その国々に旅行したパートナーにも考慮しなければならない。ジカウイルス感染を避けるためには、セックスを控える、または、通常の性行為、アナル、オーラルセックス時には、コンドームを使用するようにCDC(アメリカ感染予防)は呼びかけている。
※コメント
中南米の地域では、ジカウイルス熱感染症が流行しています。
国立衛生研究所(日本)は、ジカウイルスの性感染症の可能性から、流行地への旅行後に帰国した男女ともに8週間の避妊を勧めています。
ジカ熱のセックス感染時のリスクは、発症後40日までは、精液中にウイルスが生きているそうです。男性から女性に移るものと考えられていましたが、女性からの感染も考慮に入れる必要があります。膣液には、7日ほどジカウイルス生きているようです。
GID/FTMのパートナーが男性・・・もあるようですね。FTMのゲイということですね。GID学会でFTMのおかまにもお会いしたことがあります。とても面白い方で・・・。性は多様化していますからおかしくはないのでしょう。
いつもありがとうございます。

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Suspected Female-to-Male Sexual Transmission of Zika Virus
MMWR Morb Mortal Wkly Rep.2016 Jul 22;65(28):716-7