性同一性障害MTF,FTMの多くの人は、ホルモン治療を行う。自分の本来の性の表現、希望する性を経験するための肉体的変化を目的としている。

しかしながら、ホルモン注射を行う医療機関は、自信を持ってでなく、恐る恐る治療をしているのが現状だろう。

GIDの性ホルモン治療による身体への影響

今回の研究の目的は、性同一性障害・MTFのための女性ホルモン(エストロゲン、スピルノラクトン)、性同一性障害GID・FTMのためにテストステロンのホルモン治療が、身体にとって相反する代謝の影響があるかどうか?である。

方法:33人の性同一性障害・MTFと19人の性同一性障害・FTMを対象とし、ホルモン治療開始後18か月の経過をみた。
結果:ホルモン治療後と比較するために、ホルモン治療前に基準値を評価した。

性同一性障害・MTF

HDLが増加し、クレアチニンが低下した。しかしながら、トリグリセライドはほとんど変化がなかった。

性同一性障害・FTM

BMI、クレアチニン、ヘモグロビン、ヘマトクリットの上昇。
上昇はあったものの、これらの変化はわずかだった。
結論:性同一性障害MTF,FTMに対するホルモン治療は、この研究結果からは安全である。
Key word
BMI = body mass index
FtM = female-to-male
HDL = high-density lipoprotein
LDL = low-density lipoprotein
MtF = male-to-female
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今回の海外医学文献は、
METABOLIC EFFECTS OF HORMONE THERAPY IN TRANSGENDER PATIENTS
Endocr Pract 2016 Apr22(4):383-8